2002/3/26-2004/7/21
最近とみに「ユビキタス」という言葉を聞きます。
ユビキタス(ubiquitous)とは、もともとラテン語で、「同時にいたるところに存在する」という意味で……
でも、誰もがわかる適切な日本語にはなっていません。これではこの言葉自体ががユビキタスになることはできないでしょう。そこで、当サイトとして は機種依存文字の二匹目のドジョウを狙うべく、このプロジェクトを 立ち上げることにしました。私のア イデアとここをご覧の数少ない皆さんの意見をもとに、今世紀に自分の言葉で足跡を残しましょう。ご提案は私へメールをどうぞ。あ なたの提案が巷の本屋さんに並ぶかも!
まずは、「ユビキタスな環境」、「ユビキタスコンピューティング」という言葉を含めて和訳を考えます。
遍在環境? 遍在情報化? 遍在電脳? しかし偏在と誤変換すれば反対の意味になり、これはよくありません。暫時と漸次の誤用と似ていますよね。こ れは絶対ダメと。。。
これが一般的には正解です。インターネット検索してみて下さい。中国語訳では「普遍存在的」です。でも、我が国ならではの表現がほし いですね。
皆電脳 皆情報化……これは怪情報と勘違いするので×。やはり「皆」ではニュアンスちがうなぁ。
「どらえもん」に出てくるおなじみの「どこでもドア」というのがあります。この「どこでも」が感じとしては良いですが。でも「どこでも」ではお役 所相手の文書などには軟らかすぎて使いにくいかな。
あと「あまねく」「くまなく」も良いのですが、同様な理由でボツ。普段の説明にはこの3つのうち2つくらいをセットでお使い下さい。 ユビキタスが形容詞であるのに対して、これらは副詞であることも要注意です。
ユビキタス環境は津々浦環境。ユビキタスコンピューティングは津々浦情報化、または津々浦電脳。
本来は津々浦々なんですが、単独で使うのでなく他の語とくっつけて熟語にするには長すぎます。そこで縮めてみました。海の少ない中国には発想でき ない、島国日本ならではの言葉では?
うーん、これでは二匹目のドジョウは遠いな。アイデアをお待ちしています。
(おまけ)
ユビキタス自体とはニュアンスが違うんですが、ユビキタスコンピューティングの訳としては、いつでも手の中に情報を持っている状態という意味で、 「掌中情報化」なんかも良いかと。
あとは、いつでも指一本で取り出せるという意味で、「指来たすコンピューティング」、「指引き出すコンピューティング」というのはいかが?。しかし これは1990年にビルゲイツさんが言い出したとされる、「Information at your fingertips」という言葉の訳という方がふさわしいですね。
「湯引き出す」……おなかが空いてきました。
あまねく(遍く)
くまなく(隈無く)
どこでも
津々浦々(津津浦浦)
これらを組み合わせてインターネット検索すると面白いですよ。
特に意味はないけどリンク (いろいろ検索してみて下さい)
本当に意味は無かったんですが、2002年秋、あちらの担当者とある会で顔を合わせちゃいました。。。
んー、パクられた? というか、一言知らせて欲しかった…。予備調査はなさらなかったのかも。
ユビキタスを日本語で言おうキャンペーン
時まで越えてしまうとは大胆ですねー。でもその心意気、評価したいと思います。その説明の中で、遍在と偏在の誤用に注意を喚起している
点は、私の主張が取り入れられたと勝手に解釈して喜んでいます(笑)。
2003年11月13日追加
なんと、第二回の外来語言い換え提案最終報告では、中間報告にあったユビキタスが消えています。継続検討のようです。「時空自在」は受け入れられ
なかったのでしょうか。けっこう良かったのに。いや、まだ「津々浦」にもチャンスが
あるということかも。よろしくお願い致します(笑)。Googleでユビキタスと津々浦を検索すると、こんなに出てきます。ユビキタスの説明に「津々浦々」を使う
人が多いということだと思います。
2004/7
第三回の中間報告でも、ユビキタスは継続検討中です。